【2012.8.25-9.1】 里山の顔

2012/09/02 Sun

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盛夏の8月よりも晩夏の今の方が夏らしいという厳しい年になっていますが、ちょっとずつ秋の色も見え始めています。
早く涼しくなるといいですね。
写真はキツネノカミソリ(2012.08.25)。ヒガンバナの仲間でささやかな秋色です。

さて、今回はいつもと違った生き物をご紹介しましょう。画像にはご注意ください。

※芋虫注意※(2012.09.1)
とても大きな幼虫です。この大きさと造形はスズメガの仲間で間違いありません。
しかし、どの個体なのか撮影時点ではわかりませんでした。
後で調べたところ、体の模様とヤブガラシを食べていることから、『コスズメ』の幼虫と判明しました。
この大きさはもう終齢かそれに近いサイズです。無事に羽化してくれるといいですね。
9月になったので、さなぎになって羽化するにはギリギリの期間です。幸い、暑さが抜けないので間に合うとは思いますが、急に涼しくなるとさなぎのまま越冬してしまうでしょう。
せっかくなので成虫の姿を見てみたいですが、果たして会うことはできるでしょうか…?
さらに残念なことに、この蛾は(スズメガは蛾の仲間になります)夜行性なので会える確率はなお低いでしょう。
同じ仲間に『ホシホウジャク・オオスカシバ』などがいますが、こちらは昼行性で花の周りを高速で移動している姿が観察できます。食草である『クチナシ・ヘクソカズラ』がないもしくは少ないために、相原中央公園では見られません。

一般的に、このような幼虫に手を触れることはないと思いますが、スズメガ科の幼虫は触っても特に害はありません(ただし、怒りはします)。
幼虫に関しては、どちらかというと、毛虫に対する毒の被害の方が多いと思います。
イラガなどは桜やカキ、リンゴなど普段目につきやすい樹木に生息していることが多いので、むやみに触るのはやめましょう。

ちなみに食草の『ヤブガラシ』ですが、この植物は園芸界で非常に嫌われます。
どこにでも根付いて、庭木などに巻き付いて美観を損ねるばかりか、適当に刈った程度では枯れずに執拗に伸びてくるので駆除も難しいという厄介な植物です。
ですので、これを手当たり次第食べてくれるコスズメはとてもありがたい存在であるといえるでしょう。
(他にも『セスジスズメ』という同属の仲間が食草にしています)
確かに見た目は大きくてびっくりするかもしれませんが、庭の頼もしい戦士として活躍させてみるのはいかがでしょうか(^^;
(しかし、ヤブガラシだけを食べるのではなく、コスズメはブドウなど、セズジスズメはサトイモなども食害してしまう害虫であるというのが悩ましいですね…)

相原中央公園では、このコスズメに限らず、時たま、やけに大きい幼虫に出会いことがあります。
今年は、終齢と思われるカシワマイマイの幼虫に出会いました。本体は細長いのですが、毛があるおかげで何倍も大きく見えます。
しかし、マイマイガの仲間は木が食害されてボロボロになるので、あまり歓迎されない蛾ではあります。
他にもサンショウの木が大きくなれば、アゲハチョウ科の幼虫もやってくるでしょう。

今回は蛾の話に終始してしまいましたが、最後にもう一枚。
IMG_0540_2.jpg
カマキリ(チョウセンカマキリ)の成虫。(2012.9.1)
褐色タイプです。あまり動きませんでしたが、雨が降ってきたらいなくなりました。
8月頭にはほとんど見られませんでしたが、秋口に差し掛かると大きな個体が姿を見せてくれます。

……と書いたのはいいのですが、本当にチョウセンカマキリなのかは自信ありません。もしかするとオオカマキリの可能性があります。
目視で8cmほどの大きさなので、とりあえずチョウセンカマキリとしました。
いずれにせよ、ちょっと茂みに目を向ければ、カマキリが見つかるという環境なので、この公園のカマキリ生息数はかなりのものだと思います。
同時にショウリョウバッタやオンブバッタもたくさんいます。主に芝がイネ科であることに起因しているのでしょう。
カマキリの食糧も豊富であるということですね。
しかし、生息数の割には卵を見たことがありません。
確かに、人目に付く場所に産卵するのは危険ではありますが、いったいどこで産卵しているのでしょうね?

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主に町田市相原の里山で活動中。相原里山再生プロジェクトから生まれた新プロジェクト。デザイン活動と、子どもワークショップが大好き。ベンチ・スピーカー台・小枝のえんぴつ・黒板・積み木などなど作ってきました。ひきつづき、剪定した小枝や間伐材を使って、木工ワークショップを行いながら、現代の里山のあり方を模索していきます。

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